印鑑作成コラム
自治体により異なる印鑑登録のルール
実印とは、お住まいの市区町村に印鑑登録を行なった印鑑のことです。 印鑑登録のルールは各自治体が個別に定める「印鑑条例」に基づいています。 条例の大まかな内容はいずれも共通する事項が大半で、概要は以下の通りとなります。 <主な共通項目> 登録できる印鑑の数量は一人一個に限る 印鑑を登録できる年齢は15歳から 印影の大きさは8㎜以上25㎜未満 住民基本台帳に記録されている氏名、氏、名または氏名の一部を組み合わせたもの 職業、資格その他氏名以外の事項を表しているものは登録できない ゴム印など変形しやすいものは登録できない しかし、中には自治体ごとに異なる規定が設けられている場合があります。 例えば、登録する印鑑の最小サイズについて、大半の自治体では8㎜と規定されていますが、大津市では7㎜、神戸市では6㎜と、独自の規定が設けられています。 また、印鑑登録を受けることができる年齢は15歳以上である自治体が多くを占める中、神戸市では14歳になれば登録を受けることができます。 その他、登録できない印鑑として、「流し込み又はプレス加工により製造されたもの(枚方市 他)」「流し込み及び合成樹脂加工と認められるもの(忠岡町 他)」と大量生産された既製の印は登録不可であることを明確に規定されている場合や「他の者が登録を受けているもの(寝屋川市 他)」「印影がローマ字以外の外国文字で表されているもの(枚方市)」「指輪及びネクタイピン等のもの(門真市)」など様々です。 登録用の印鑑を購入される前に、お住まいの自治体では印鑑登録についてどのように規定されているか、念のため確認されておくことをお勧めします。
オランダ水牛を一生ものに
この印鑑(オランダ水牛)は、ケースに入れられず長期間放置されていました。オランダ水牛は主成分がタンパク質で、人間の爪に似た性質を持っています。そのため乾燥に弱く、油分が不足するとひび割れの原因になります。ひび割れが深くなると見た目が損なわれるだけでなく、印面に割れが及ぶと使用できなくなる可能性もあります。 一方で、オランダ水牛は天然素材ならではの美しい模様と、使うほどに増す上質な風合いが魅力です。丁寧にお手入れをすれば、長く愛用できる“一生もの”の印鑑となります。 日常のケアとしては、印鑑をケースに入れて保管し、年に1度程度、柔らかい布にオリーブオイルを2~3滴しみ込ませて全体を拭き上げると効果的です。乾燥を防ぎ、美しい艶を維持することができます。 大切な場面で使う印鑑だからこそ、日々のお手入れを通じて、自分だけの一本を育てていく喜びを感じていただけます。
店舗で多いお客様の印鑑のご質問について
「印鑑を作ってほしいのですが・・・」 毎日店頭では、色々な印鑑 ご注文のお客様にご来店いただいております。印鑑専門店として、専門的知識をもったスタッフがご要望にお応えするた め、丁寧に接客にあたらせていただいております。そのお客様との接客のなかで、特にご質問の多い事柄をご紹介させていただきます。 「印鑑の書体はどんなものがありますか」 ・・・・初めて印鑑を注文される方から多いご質問です。自分の印鑑がどんな書体(字型)になるか不安を感じられる方もあるようです。でも大丈夫です、ハン六におまかせください。 具体的には、弊社ウェブサイトの[印鑑の種類と選び方]をご覧いただければ、印相体(いんそうたい)、篆書体(てんしょたい)、古印体(こいんたい)、隷書体(れいしょたい)、楷書体(かいしょたい)、行書体(ぎょうしょたい)等の説明が、字型サンプルと共に掲載されております。各書体が実印・銀行印・認印・落款印(趣味の印)のどれに適しているか、よく使用されているか等を詳しく解説しております。ぜひ一度、ご覧下さいませ。 「実印には、どんな書体がよく使われますか」 ・・・・これも初めて印鑑を注文される方から多いご質問です。実印には、印相体(いんそうたい)、篆書体(てんしょたい) がよく使われています。主な理由は、「他の書体よりも外枠がかけにくい」「可読性が低いものの、複製や偽造が困難なため」です。皆様も一度は、実印・銀行印の「複雑な印影」を「字がぐちゃぐちゃで読みにくい」と思われたことがあるでしょう。その「字の複雑さ」が可読性を低くしますが、複製や偽造を困難にして重要印鑑には必要なのです! ハン六では印章にシールを貼って上下を分かりやすくしています 印相体や篆書体の印鑑は、「読みにくい」だけでなく、捺印時に「印鑑の上下が分かりにくい」というご質問をお受けします。そんな場合、印鑑本体にアテ(印鑑本体を刻んで、上のしるしを付ける)をつける場合もありますが、実印・銀行印を上質な印材で作られたのに 気が引ける場合もあるかと思います。そんな場合、【シールを貼らせていただく】ことをおすすめしています。シールなら、後年にシールを外すことも出来ますし、大切な印鑑に刻みを入れる必要もありません。(写真ご参照)
印鑑は自分自身の分身
印鑑は、自分自身の分身として、働いております。 自分自身の名前を彫刻して、朱肉で捺印することで、「この件に関しては確認しました」「この内容を私は受け入れます」と、自分への責任が生じてきます。 自分の意志表示を、印鑑がつとめています。 人生で最初に作成をされる印鑑として、銀行印が多いと思います。子供様、お孫様がお生まれになり、「通帳を作ってお金を積み立てていってあげたい」と、その方に対する思いで作成頂けます。 印鑑を作らなければ、通帳が作れない、または、保険に入れない等、必要に迫られて作られる方もおられますが、自分の存在意義として、印鑑を作られる方もおられると思います。 銀行や役所の届け出印として、登録をして、自分の名前を世に出す、世に知らしめる事で、印鑑の役割を果たしており、印鑑を自分自身の分身として持っておられる方は、自分自身を大切にしている人に思います。
漢字と印鑑――日本ならではの“形に残るギフト”が、いま海外から注目されています
日本の伝統的なアイテムの中でも、海外からの注目度がじわじわ高まっているのが「印鑑」です。 「日本人って、名前をスタンプにするんでしょ...
漢字と印鑑――日本ならではの“形に残るギフト”が、いま海外から注目されています
日本の伝統的なアイテムの中でも、海外からの注目度がじわじわ高まっているのが「印鑑」です。 「日本人って、名前をスタンプにするんでしょ?」と興味津々に話しかけてこられる外国人のお客様も増えています。なかには、「自分の名前を漢字にした印鑑が欲しい!」と、オーダーを希望される方も。 実際、以前フィンランドを訪れた際、現地の方に「私の名前を漢字で書いてみてくれない?」と頼まれたことがありました。音の響きや意味を考えながら漢字を当てはめると、その方は目を輝かせて「特別な名前をもらったみたい!」ととても喜んでくれました。 その瞬間、「この名前で印鑑を作って贈ったら、もっと喜んでもらえるかもしれない」と感じたのです。 漢字には、日本語ならではの意味の深さや、美しい見た目、そして音の響きのバリエーションがあります。そのひとつひとつに“物語”を込めることができるため、「世界でたった一つの名前印」として贈る印鑑は、とても特別な存在になります。 最近では、訪日外国人の方が自分の名前を漢字でアレンジして、記念として持ち帰るケースも増えてきました。例えば、英語名「Emily」を「笑美里(えみり)」にして、「笑顔で美しい里に住む人」という意味を込めたり、「Luca」を「流翔(るか)」にして「流れるように自由に羽ばたいてほしい」という願いを込めたりと、プレゼントにもぴったりの“名付け”体験が楽しめます。 しかも、印鑑というアイテム自体がとてもユニーク。西洋では署名が一般的な中で、“自分の名前を彫った印を押す”という文化はとても新鮮に映るようです。木や水牛、アクリルなど印材の種類も豊富で、見た目の美しさやコンパクトなサイズ感も海外の方には魅力的に映るポイント。 日本製の印鑑は、漢字とともに“自分だけのストーリー”を刻むことができる、まさに“形に残るギフト”。インテリアとして飾る方もいれば、旅の思い出として大切に保管する方も。海外方にとって、日本の文化と心がぎゅっと詰まった、特別な一品になることは間違いありません。 あなたもぜひ、大切な誰かに“名前と想い”を込めた印鑑を贈ってみませんか?
「印鑑って必要?」と思っていた私が、印鑑に込めた“はじまり”の話。
「実印って、いつ作ればいいんですか?」 店頭で接客をしていると、よくいただく質問です。中には、「若いし、まだ必要ないかな」と迷われる...
「印鑑って必要?」と思っていた私が、印鑑に込めた“はじまり”の話。
「実印って、いつ作ればいいんですか?」 店頭で接客をしていると、よくいただく質問です。中には、「若いし、まだ必要ないかな」と迷われる方も。けれど実印を作るタイミングに“決まり”はありません。むしろ、自分にとっての節目や大切な出来事を“かたちに残す”きっかけとして印鑑を作られる方が多いように感じます。 ある大学生の方が、「社会人になる前に、自分の名前を大切にしたくて」と来店されたことがありました。これから始まる人生の一歩に、しっかりと名前を刻んだ印鑑を持ちたい。そんな想いに、私たちスタッフも心があたたかくなりました。 実は私自身も、印鑑というものの大切さに気づいたのは、まだこの仕事を始める前のことでした。 それは、息子が生まれた日のこと。 人生で初めて“自分のためではない印鑑”を作りました。赤ちゃんの名前を彫った、たったひとつの小さな印鑑。出生届を書きながら、「この子の名前を形にして残してあげたい」と思い、気づけば印鑑屋さんに足を運んでいました。 どんな字体がいいか、どんな素材がいいか――悩みながら選び抜いた印鑑が届いたとき、胸がじんわり熱くなったのを今でも覚えています。 「この名前で生きていくんだな」 「この名前を守っていくんだな」 そんな気持ちが、朱肉の香りとともに心に広がっていきました。 あれから数年が経ち、息子は元気な小学生になりました。あの時作った印鑑は今も大切に保管しています。いつか本人が使う日が来たら、“あなたが生まれたとき、こんな気持ちで印鑑を作ったんだよ”と伝えてあげたいと思っています。 印鑑は、ただの道具ではありません。 それは、自分や誰かを大切に想う気持ちを、目に見えるかたちに変えてくれるもの。 人生の節目に。家族の記念に。自分へのエールに。 印鑑は、静かに寄り添いながら、私たちの“はじまり”を刻んでくれる存在なのです。 印鑑の種類と選び方については、 こちらで詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください。