法人用 実印・銀行印

会社の運営や取引において欠かせない重要な法人用の実印や銀行印の選び方についてご紹介します。

法人用の実印と銀行印の違い

法人用の実印は、法人を代表する正式な印鑑で、登記や契約書などの法的書類に押印することで、法人の意思を証明する法務局に登録された重要な印鑑です。 法人設立時の登記手続き、不動産売買契約、金銭消費貸借契約(ローン契約など)、法務局に提出する書類への押印などに用いられます。
一方、法人用の銀行印は法人名義の銀行口座を管理するために使用される印鑑で、主に金融機関との取引に関わる場面、銀行口座の開設・解約、預金の引き出し、口座の名義変更や住所変更、銀行取引に関する書類への押印などで利用されます。
銀行印は、法務局ではなく銀行に届け出た印鑑であり、金融機関との取引において法人の意思を証明しますが、実印ほどの広範な法的効力はありません。

法人用の実印のサイズと形状の選び方

法人用の実印の印影サイズは法務局の定めにより、辺の長さが10mm以上30mm以内の正方形に収まる必要があり、一般的に16.5mm~25mmが推奨されます。
形状は丸型と角型がありますが、どちらでも作成しても問題ありません。 法律事務所、不動産業など威厳や堅実さを象徴する一部の業種では角型で作成されるケースが多いですが、あらゆる業種や用途にも使用できる丸型が無難でオススメです。
法務局では楕円などの特殊な形状は実印として登録できない場合があります。

法人用の銀行印のサイズと形状の選び方

法人用銀行印の印影サイズは、一般的には16.5mm~18mmの直径が選ばれ、形状は丸型、角型どちらでも問題ありませんが、円滑な取引を象徴するため丸型が主流です。 角型や楕円型は一部の銀行では登録できない場合もあるため注意してください。

法人用の実印・銀行印の書体の選び方

法人用の実印の書体は、特に法律的に決まりはありませんが、信頼性、偽造防止、視認性などを考慮して作成する必要があります。

篆書体(てんしょたい)

篆書体

古代の漢字を基にした曲線が多い書体で、線が複雑で装飾性が高く、重厚感があります。 線が複雑で彫刻が難しいため、偽造されにくく、公的書類や契約書類に適しており、法人用の実印を作成する際に多く選ばれる書体です。

古印体(こいんたい)

古印体

篆書体を簡略化した、シンプルさと伝統美を兼ね備えた力強い書体です。 曲線と直線が調和したデザインで、篆書体に比べて読みやすく、複雑な線でセキュリティ性も比較的高い。

印相体(いんそうたい)

印相体

篆書体をベースにしながら、より装飾的で複雑な線を持つ書体で吉相を意識した文字配置が可能です。 文字は読みづらくなりますが、法人用として非常に格式が高く見え、偽造防止の観点でも篆書体以上に難しいです。

隷書体(れいしょたい)

隷書体

篆書体よりも視認性が高く、横線が特徴的で古代から使われる書体です。篆書体に比べて直線的でモダンな印象も併せ持ち、重圧感もあります。 篆書体や古印体ほどの格式感はないため、伝統を重視しつつ、現代的なイメージも取り入れたい企業に適しています。

それぞれの書体の特長をまとめます。

材質 耐久性 高級感 メンテナンス性 印影の鮮明さ コスト 特徴的な用途
象牙 非常に高い 非常に高い 簡単 シャープで美しい 高い 高級実印、一生ものの印鑑
チタン 非常に高い 高い ほぼ不要 鮮明 中~高 長期使用、公的用途に最適
黒水牛 高い 高い 簡単 深く美しい 中程度 高品質の実印や銀行印
オランダ水牛 中~高 高い 普通 柔らかい印影 中~高 個性的な印影を求める場合
薩摩本黄楊 中程度 高い やや注意が必要 柔らかく温かみ 中程度 伝統を重視したい場合

法人用の実印・銀行印の材質の選び方

法人用の実印を作成する際の素材には自然素材の黒水牛や象牙、国産木材の薩摩本黄楊の他、金属素材のチタンなどがあります。それぞれの特徴をご紹介します。

象牙(ぞうげ)

本象牙(ivory)

象牙は高級印材として古くから使用されてきた、真っ白で美しい質感が特徴的な天然素材です。 圧倒的な高級感で格式や信頼感があります。摩耗に強く、長期間使用可能で耐久性も高いです。繊細な彫刻が可能で、緻密でシャープな美しい印影を得られます。

チタン

チタン(titanium)

非常に硬く、耐久性が高い金属素材で、銀色や黒色の高級感ある現代的な仕上がりが特徴です。腐食や摩耗に強く耐久性が高いため、半永久的に使用可能です。 水や油にも強いため、保管や使用時に気を使いません。硬い素材のため印影も鮮明です。

黒水牛(くろすいぎゅう)

黒水牛(buffalo)

水牛の角を加工した天然素材で、深い黒色が特徴で、滑らかな手触りと自然な艶が高級感を演出します。 適度な硬さと柔軟性があり、摩耗しにくく、文字の彫りが深いため、美しい印影が得られます。 耐久性と価格のバランスも良く、おすすめです。湿気や乾燥に弱いため保管には注意が必要です。

オランダ水牛

オランダ水牛(buffalo)

乳白色から薄茶色、透明感のある美しい模様が特徴で、上品でナチュラルな印象です。 黒水牛よりも柔らかめの素材で精密な彫刻が可能です。湿気や乾燥に弱いため保管には注意が必要です。経年変化で変色する場合もあります。

薩摩本黄楊(さつまほんつげ)

薩摩本黄楊 つげ(boxwood)

日本で古くから使用されてきた国産の木材の一種で、細かい木目が美しく、軽量で自然の木材ならではの温かみと手触りが良好です。 木材特有の柔らかさで緻密な彫刻が可能で、印影も美しいです。ただし、摩耗や湿気に弱く、保管には注意が必要です。

材質 耐久性 印影の鮮明さ 高級感 メンテナンス性 コスト おすすめ用途
チタン 非常に高い 鮮明 高い 非常に楽 中程度~高い 長期間使用、頻繁に使用する法人
黒水牛 高い 鮮明 高い 普通 中程度 伝統的かつ実用的な選択肢
象牙 高い 非常に鮮明 非常に高い 普通 非常に高い 格式重視の法人、一生ものを求める法人
オランダ水牛 中程度~高い 柔らかい印影 高い 普通 中程度~高い デザイン性や個性を求める法人
薩摩本黄楊 中程度 柔らかい印影 中程度 やや注意が必要 低~中程度 伝統を重視しつつコストを抑えたい法人

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