認印

認印は、日常生活や職場で頻繁に使用される印鑑で、契約や公的手続きほどの効力は持たないものの、書類の確認や受け取りなど多くの場面で必要になります。

認印のサイズの選び方

個人用の認印の印面(印影)のサイズは特に決まりはありませんが、一般的に大きいサイズから「実印」「銀行印」「認印」の順番で作成するため、10.5mm~12mmの小さめサイズがおすすめです。

認印の形状の選び方

楕円型や角型の他、花型や星型など、印影さえ明瞭であればどんな型でも問題ありませんが、印影が美しい丸型が一般的です。

認印の書体の選び方

使用頻度が多く気軽に押印する認印は、契約や公的手続きほどの効力はないため、視認性の高さが重視されることから、楷書体や古印体がおすすめです。

隷書体(れいしょたい)

隷書体

篆書体を直線的に読みやすくした隷書体は、可読性が非常に高く、全体的に太目の線で彫られるため欠けにくいため、認印におすすめです。

楷書体(かいしょたい)

楷書体

一画一画を丁寧に崩さず書かれ、文字の視認性が高く美しい書体のため、認印の書体としておすすめです。

古印体(こいんたい)

古印体

視認性が高く親しみやすい割に、線の太さが均一でないために偽造されにくい書体で、認印にもおすすめです。

行書体(ぎょうしょたい)

行書体

線の連続や省略によって流れるような、書道の筆で書かれたような書体で、可読性が高いため、実印や銀行印よりも、認印としてよく選ばれます。

篆書体(てんしょたい)

篆書体

複雑な線構造で偽造防止に優れるため、実印や銀行印におすすめの書体ですが、視認性が悪いため、認印には向いていません。

印相体(いんそうたい)

印相体

篆書体よりもさらに複雑な線構造なので、この書体も視認性が悪く、認印には向いていません。

それぞれの書体の特長をまとめます。

書体 偽造防止 視認性 格式・信頼性 個性・モダンさ おすすめの用途
印相体 非常に高い やや低い 非常に高い 普通 実印、銀行印(偽造防止・格式を重視)
篆書体 非常に高い やや低い 非常に高い 低い 実印、銀行印(格式重視)
古印体 高い 高い 高い 普通 認印、銀行印(親しみやすさも重視)
隷書体 高い 非常に高い 高い やや高い 認印、銀行印(伝統とモダンの融合)
楷書体 普通 非常に高い 高い 低い 認印、銀行印(視認性重視)
行書体 やや低い 普通 普通 非常に高い 認印(個性的なデザインを重視)

認印の材質の選び方

象牙(ぞうげ)

本象牙(ivory)

象牙には独特の繊細な模様があり、その重量感と相まって高級感があり、朱肉との馴染みもよく印影が鮮明で、印材としては他にない最高級品です。 加工・耐久性に優れ、長期間使用しても劣化しにくく、時間とともに光沢が生まれ、朱肉を吸い上げて変色していきます。この変色は縁起が良いとされる象牙特有の現象です。
また、象牙の品質にはランクがあり、象牙の外側から内側にいくほどキメが細かくなり希少性も高くなるため高価です。一生ものの認印として最適です。

チタン

チタン(titanium)

ロケットや航空機にも使われている最先端の金属素材で、鉄よりも高い硬度で他の印材を遥かに上回る耐久性と耐摩耗性で、傷やサビにも強いため、認印の印材としてもおすすめです。 金属ということで重量感もあり、見た目も高級感があります。
ただし、チタンは希少金属のレアメタルの一種で、その硬度の高さから加工にも手間がかかるめ、チタンの認印の価格は多少高価になります。

オランダ水牛

オランダ水牛(buffalo)

アフリカ全土から輸入される原材料の牛の角を利用した高級印材で、古来より「オランダ水牛」という名前で親しまれています。 (歴史的背景からオランダ水牛とは言うものの、オランダ原産ではありません)
透明感があり、やや褐色の淡い色合いに「ふ」と呼ばれる縞模様が入っているのが特徴ですが、 「ふ」の少ない乳白色のものや、耐久性のある中心部分の「芯持ち材」を使った印鑑は大変貴重で高価です。br /> 弊社のオランダ水牛の認印は、この貴重な「ふ」の少ない芯持ち材を印材として使っています。 オランダ水牛の印鑑は、タンパク質が主成分のため、朱肉のなじみも良く、印影も鮮明で美しく、認印にもおすすめの印材です。

黒水牛(くろすいぎゅう)

黒水牛(buffalo)

タイやベトナムなどの東南アジアを原産とした牛の角を利用した印材です。 象牙やオランダ水牛と同じく耐久性が高く印影も鮮明で美しいですが、価格は比較的安価でコストパフォーマンスに優れています。
ただし、印材を溶かして黒色に着色して成型しなおしている印鑑はリーズナブルですが、自然のまま印材として使った「天然黒水牛」や 歪やひび割れに強く耐久性のある中心部分の「芯持ち材」を使った認印は、品質が高く貴重なため価格も高価になります。
弊社の黒水牛の認印は天然黒水牛の芯持ち材を印材としています。

薩摩本黄楊(さつまほんつげ)

薩摩本黄楊 つげ(boxwood)

日本で古くから将棋の駒やそろばんの珠など様々な細工物の材料としても使われてきた国産の常緑低木「柘」(つげ)。 その中でも特に高品質な「薩摩本黄楊」を使った認印は、硬く緻密な木目が特徴で、鮮明で柔らかな印影が得られ、価格も手ごろなため、人気があります。
軽量で自然の木材ならではの温かみと手触りですが、硬質で耐久性があり、油や朱肉に強く、変形や割れも生じにくいです。 木材のため湿気に弱いですが、弊社の薩摩本黄楊の認印は防湿加工が施されているため、使用後はしっかりとケースで保管すれば経年劣化は最小限に抑えられます。

それぞれの材質の特長をまとめます。

材質 耐久性 高級感 メンテナンス性 印影の鮮明さ コスト 特徴的な用途
象牙 非常に高い 非常に高い 簡単 シャープで美しい 高い 高級実印、一生ものの印鑑
チタン 非常に高い 高い ほぼ不要 鮮明 中~高 長期使用、公的用途に最適
黒水牛 高い 高い 乾燥に注意が必要 深く美しい 中程度 高品質の実印や銀行印
オランダ水牛 高い 高い 乾燥に注意が必要 柔らかい印影 中~高 個性的な印影を求める場合
薩摩本黄楊 中程度 高い やや注意が必要 柔らかく温かみ 安い 伝統を重視したい場合

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