似て非なる漢字について
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毎日、お客様の大切なご印鑑に携わらせて頂くと様々な漢字に触れ合うことができます。漢字は、日本人にとって切っても切り離せない関係にあります。
小学生の頃から漢字テストがあり、一応は、勉強し覚えたつもりでも、年月が過ぎれば、つい、うっかりと読み違いや書き損じが生じてしまうのは誰にでも経験があることかと思います。それは、一体、何故なのでしょう?
やはり、形が似ているところに起因していると思われますが、これは、漢字の宿命といえます。漢字は字数が多く、また種類も多いので似た文字がたくさんあります。
例えば、「瓜」と「爪」。この文字は、昔からよく間違うため有名な覚え方があります。諺仕立てで、瓜(うり)に爪(つめ)あり爪に爪なし。「瓜」の「ム」の部分を爪に見立てていますが、実際はどうでしょうか?「 」はウリを描いた象形文字です。つるの間に丸い果実が垂れています。「ム」は果実に相当します。「 」は、つめを描いた象形文字で下向きに手の形になっています。それが、変形して現在の「爪」になったと思われます。
では、実際に印鑑で見かける、似て非なる漢字を紹介します。
「嘉」と「喜」。人名ではどちらも「よし」と読むため、間違いやすい漢字ですが、実は、両方とも食べ物に関わりのある文字です。「 」は「 」(たかつき=豆をもった器)と「加」(上にのせる)とをあわせて、食膳にのせたごちそうの意を表します。
「
」は、ごちそうを食べて「よろこぶ」の意味になります。
また、「明」と「朋」。こちらも、お名前によく使われ、字源、語源は全く異なりますが、現在、私たちが使用する文字は類似しているので、間違いやすい漢字です。「 」は、「明」の会意文字で、「日」と「月」をあわせて月が光る意を表します。「 」は「朋」を描いた象形文字で、二つの貝をひもでつないだ形です。古代中国では、貝はお金や財産を表したので価値あるものをともにもつ仲間から「ともだち」の意味になったと考えられ、「朋友」「同朋」などのような熟語があります。
このように、字体の歴史を紐解けば、正しく識別することが可能になります。
印鑑、特に、実印は、複雑で読み難い文字が好まれます。書体については、以前にコラムに登場し、詳しく記載されているので割愛しますが、くねくねした独特の趣がある文字が特徴です。
私たちは、日頃から、正しい漢字を理解し、間違った漢字を識別できる力を養い、確かな技術と技法を用い、お客様に愛されるモノづくりを心がけています。